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【100種類超え?!】「マレーの欲求リスト」が見せる人間の深層心理

 

こんにちわ!WEBマーケッターの高村美加です。

 

あなたは「マレーの欲求リスト」を知っていますか?

人間の欲求をリスト化したもののことを指すのですが、マーケティングの欲求に関する言葉といえば「マズローの欲求5段階説」の方が、知られているかもしれませんね。

「初めて聞いた!」と言う人も中にはいると思いますので、今回は「マレーの欲求リスト」についてご紹介していきます。

私が「マレーの欲求リスト」を、これからのマーケティングに活かす方法も交えて、詳しく解説していくよ!

目次

マレーの欲求リストとは?

まずはじめに、そもそも「マレーの欲求リスト」がどんなものなのかを紹介していくことにしましょう。

この「マレーの欲求リスト」は、ヘンリー・マレーというアメリカの心理学者が1930年代の著書の中で、初めてリスト化をした人間の欲求のことを指しています。

よく、人間は「食欲」「性欲」「睡眠欲」の三大欲求を持っていると耳にしますが、これらをさらに細分化し可視化したものが「マレーの欲求リスト」であると覚えておきましょう。

「マレーの欲求リスト」は人間のより深い欲求を見える化してくれたから、より細かいマーケティングが打てるようになるね!

マレーの欲求リストを活用するための考え方

後ほど「マレーの欲求リスト」を紹介していきますが、この欲求リストを普段のマーケティングに活用するために持っておいて欲しい考え方が1つあります。

それは「普段自分が抱く欲が、マレーの欲求リストのうちどれに当てはまるか」という考え方です。

先に申し上げておくと、マレーの欲求リストは40種類近くに上ります。ですので、今あなた自身が抱いている欲が40種類のうち、どの項目に当てはまるのかピンポイントで分析することは難しいでしょう。

初めのうちは全てを理解する必要はありません。普段から「マーケティングのため」に人間の欲はどんなものがあるのかを、把握するだけでも十分に価値があります。

自分自身が消費者目線に立つことを普段から意識して生活することで、マーケティングがより考えやすくなるよ。

”ヘンリー・マレー”の説いた「マレーの欲求リスト」は大きく分けて2つ

マレーの欲求リストは、大きく分けると2つに分類することができます。その2つの分類ごとに、様々な人間の欲が細かくリスト化され、40種類近くにも上っているのです。

マレーの欲求リストは、以下2つの欲求に分類されます。

  • 臓器発生的欲求
  • 心理発生的欲求

2つの分類については、次の章から詳しく解説していきます。

「臓器発生的欲求」は11種類

「臓器発生的欲求」というのは、人間に備わっている肺や心臓、胃などの臓器に関係して発生する欲求分類のことです。

人間がいきていくために必要な、身体が必然的に欲するものが臓器発生的欲求なのです。

臓器発生的欲求に関係する欲求は、11種類もありますので、その11種類を紹介していきます。

欠けているものを欲している時の欲求
1 吸気欲求 酸素を求めている
2 飲水欲求 水などの飲み物を求めている
3 食物欲求 食べ物を求めている
4 感性欲求 身体的な感覚を求めている
排泄に関係する欲求
5 性的欲求 性的に交わり快楽を求めている
6 授乳欲求 乳児への授乳を求めている
7 呼気欲求 息を吐き出すことを求めている
8 排尿・排便欲求 尿や便の排泄を求めている
痛みからの回避に関係する欲求
9 毒性回避欲求 有毒な刺激を回避し逃れることを求めている
10 暑熱・寒冷回避欲求 適温で過ごすことを求めている
11 傷害回避欲求 痛みや病気、死などを避けることを求めている

上記11種類の欲求を、総称して「臓器発生的欲求」と言います。臓器発生的欲求に関しては生理的欲求だと認識しておいても問題ないでしょう。

「心理発生的欲求」は28種類

臓器発生的欲求ともう1つに分類される欲求は「心理発生的欲求」と呼ばれています。

こちらは臓器のどこから発生しているのかわからない欲求を、第二次的欲求としてリスト化したものです。

社会的生活や人間関係に関する欲求が「心理発生的欲求」に分類されています。

心理発生的欲求は28種類に細かく分類されていますので、その28種類を紹介しますね。

物事に関係する欲求
1 獲得欲求 お金や財産など、色々なものを求めている
2 保存欲求 モノを集めて傷つけないように保存することを求めている
3 秩序欲求 モノを整理整頓して綺麗にすることを求めている
4 保持欲求 お金やモノをいつまでも手放すことなく持ち続けることを求めている
5 構成欲求 モノを組み立てて、築き上げることを求めている
野心や向上心に関係する欲求
6 優越欲求 他人よりも優れることを求めている
7 達成欲求 困難を乗り越えて成功することを求めている
8 承認欲求 他人に認められ、尊敬されることを求めている
9 顕示欲求 他人の注意を引いたり、楽しませることを求めている
自己防衛や保身に関係する欲求
10 不可侵欲求 自尊心を傷つけたり、批判から逃れることを求めている
11 屈辱回避欲求 失敗して笑われたり、屈辱や恥ずかしさから逃れることを求めている
12 防衛欲求 非難や軽視から身を守ることを求めている
13 中和欲求 失敗をリベンジしたり、弱さの克服を求めている
支配や権力に関係する欲求
14 支配欲求 他人をコントロールしたり影響を与えることを求めている
15 服従欲求 優秀な人に従ったり、協力したいと求めている
16 同化欲求 他人と同一視して感情移入することを求めている
17 自律欲求 他人の支配や影響に抗い、独立することを求めている
18 対立欲求 他人と違う行動をとったり、ユニークな存在になることを求めている
19 攻撃欲求 他人を意地悪したり、攻撃して奪うことを求めている
20 屈従欲求 他人に降伏したり、痛みや不幸を楽しむことを求めている
禁止に関係する欲求
21 非難回避欲求 法律やルールに従いたいと求めている
愛情に関係する欲求
22 親和欲求 他人と交流したり、集団に加わることを求めている
23 排除欲求 他人を無視したり、他人を排除することを求めている
24 養護欲求 困っている人を助けたり、同情してもらうことを求めている
25 救護欲求 愛されたり、許されることを求めている
遊戯に関係する欲求
26 遊戯欲求 リラックスしたり、気晴らしを楽しむことを求めている
情報に関係する欲求
27 認知欲求 知識を学んだり、好奇心を満足させることを求めている
28 証明欲求 情報を提供したり、他人を教育することを求めている

上記28種類の欲求を、総称して「心理発生的欲求」と言います。

日本人学者が「マレーの欲求リスト」をさらに細分化

前章までに、39の欲求リストを紹介してきましたが、これらの「マレーの欲求リスト」を日本人学者が「心理発生的欲求」を59種類にまで、さらに細分化したのです。

非常に細かく分類されているため、より的確に人間の1つ1つの行動がどんな欲求に当てはまるのかを分析できるようになりました。

日本人が細分化した59種類の心理発生的欲求(社会的欲求)

ヘンリー・マレーが提唱した欲求リストのうち、心理発生的欲求に関する欲求は28種類に分類されていました。

日本人学者の荻野七重と斎藤勇の2人は、心理発生的欲求を59種類にまで分類していますので、この59種類を確認していきましょう。

優越・支配に関係する欲求
1 自尊欲求 自分を認めて自尊心が傷つかないことを求めている
2 競争欲求 他人と争うことを求めている
3 優越欲求 他人よりも優れていることを求めている
4 攻撃欲求 武力を使って相手を攻撃することを求めている
5 反発欲求 やられたらやり返すことを求めている
6 流行欲求 流行の最先端の物を手に入れることを求めている
7 自己顕示欲求 注目を集めることを求めている
8 指導欲求 リーダーシップを発揮して集団をまとめることを求めている
9 名誉欲求 社会的に名誉のある地位につくことを求めている
10 支配欲求 人に指示や命令をすることを求めている
11 権力欲求 地位や権力を求めている
情的支配に関係する欲求
12 愛情欲求 愛する人のために行動することを求めている
13 恋愛欲求 好意を寄せる人に好かれることを求めている
14 愉楽欲求 みんなと一緒に楽しみ騒ぐことを求めている
15 自由欲求 自由な生活を求めている
16 自己表現欲求 自分の個性をアピールすることを求めている
17 不満解消欲求 ストレス解消のために気分転換することを求めている
積極的活動に関係する欲求
18 達成欲求 困難を乗り越えて目標を達成することを求めている
19 内罰欲求 自分に悪い点はないか反映することを求めている
20 自己成長欲求 自分自身を充実させ成長させることを求めている
21 持続欲求 最後まで根気よく続けることを求めている
22 自己実現欲求 人生計画をしっかり立てて、日々努力することを求めている
23 知識欲求 知識を増やし多くのことを学ぶことを求めている
24 自己主張欲求 自分のことを主張することを求めている
25 批判欲求 人が悪いことをした時に指摘し正すことを求めている
26 趣味欲求 趣味を持ち続けることを求めている
27 感性欲求 美しいものを見て聴いて、感動することを求めている
28 理解欲求 物事の因果関係を理解することを求めている
29 他者認知欲求 他人の性格などを理解することを求めている
30 好奇欲求 新しいことや珍しいことを経験することを求めている
関係の形成に関係する欲求
31 秩序欲求 社会生活において規則やルールを守ることを求めている
32 援助欲求 弱い人や困っている人に手を差し伸べることを求めている
33 集団貢献欲求 所属している集団のために全力を尽くすことを求めている
34 社会貢献欲求 住み良い社会を作るために貢献することを求めている
35 教授欲求 自分の得意分野を、先生として教えることを求めている
36 自己認知欲求 自分がどんな性格なのかを知り理解することを求めている
37 承認欲求 できるだけ多くの人から好かれることを求めている
38 自己開示欲求 親しい人に自分のことを知ってもらうことを求めている
保身に関係する欲求
39 屈辱回避欲求 人前で笑われるようなことを避けることを求めている
40 同調欲求 仲間と一緒に同じことをすることを求めている
41 嫌悪回避欲求 人に嫌悪感を持たれないことを求めている
42 批判回避欲求 人からの批判を避けることを求めている
43 服従欲求 上の人の指示に従って行動することを求めている
44 優位欲求 自分が他の人よりも優位であることを求めている
45 譲歩欲求 争いを避けるために譲ることを求めている
46 安心欲求 失敗を避け安心な方を選ぶことを求めている
47 気楽欲求 無理をせずのんびりと人生を送ることを求めている
48 挑戦欲求 危険なことでも挑戦することを求めている
49 安全欲求 身に危険が生じるようなことを避けることを求めている
50 拒否欲求 嫌いな人とは付き合わないことを求めている
51 金銭欲求 お金を確保することを求めている
52 生活安定欲求 安定した生活を送ることを求めている
協調に関係する欲求
53 依存欲求 誰かに助けてもらうことを求めている
54 親和欲求 友達との交流を深めることを求めている
55 協力欲求 仕事やプライベートでも協力することを求めている
56 孤立欲求 できるだけ1人でいることを求めている
57 恭順欲求 信頼できる指導者に従うことを求めている
58 自己規制欲求 規則正しい生活を送ることを求めている
59 迷惑回避欲求 人に迷惑をかけないことを求めている

上記59種類が、日本人学者が新たに細分化して提唱した「マレーの欲求リスト」です。

自分のビジネスに「マレーの欲求リスト」を活用するために

これまでに、日本人学者の提唱したものも含めておよそ100種類近くの人間の欲求を紹介してきました。

「マレーの欲求リスト」をビジネスに最大限に活用するためには、以下の2つの方法を用いていきましょう。

  • 既存のサービスを「マレーの欲求リスト」で考えてみる
  • 自社の強みが「マレーの欲求リスト」の何に当てはまるのか考えてみる
自分自身のマーケティングに活用する時には、マレー本人が提唱した欲求リストと、日本人学者が提唱した欲求リスト、どちらか使いやすい方を選択してみてね!

既存のサービスを「マレーの欲求リスト」で考えてみる

まずは、既存のサービスが「マレーの欲求リスト」のうち、どの部分に当てはまっているのかを考えてみましょう。

普段あなたが利用しているサービス・商品だと最も考えやすいですね。

例えば、TwitterやInstagramなどのSNSは、「いいね」をもらったり多くの人に拡散してもらうことによる「承認欲求」や「親和欲求」、「自己主張欲求」などが当てはまるでしょう。

自分のサービスや商品がどのようにして売れるかを考えることも大切ですが、まずは1度世の中にあるサービスを、しっかりと見ていきましょう。

消費者に購入してもらうためには、1度消費者目線に立ってみることが大切だよ!

自社の強みが「マレーの欲求リスト」の何に当てはまるのか考えてみる

あなた自身が普段よく使っている既存のサービスや商品が、「マレーの欲求リスト」の何に当てはまるのかを考えてみたら、次は実際に自社を考えていきましょう。

あなたが提供しているサービス・商品は、消費者にとってどんな欲求を満たすものなのか、その欲求は何かを考えてみてください。

自社のサービスや商品が「マレーの欲求リスト」のうち、どの欲求に当てはまるのかを考え見つけることで、今後の訴求方法や訴求時の言葉なども変わってくるでしょう。

日本人学者が提唱した59種類の欲求リストを元に、考えてみたほうがより細かく分析ができるよ!

「マレーの欲求リスト」を新規事業に活用するのはちょっと待った!

今回紹介してきた「マレーの欲求リスト」は、既存事業にも新規事業にももちろん活用することができます。

今までの内容を読んできてくれたあなたであれば、気づいているのではないでしょうか?

ただ、マーケティング初心者の人やベンチャー企業などは、「マレーの欲求リスト」を元に新規事業を立ち上げたり新規サービスを開発するのは、少し待ってください。

新規事業に取り組むためには、膨大な資金・時間、リソースを注ぎ込まなければなりません。場合によっては多くの人手も必要になってくるでしょう。簡単なことではないんです。

資金、時間、人手に余裕がある場合には新規事業に取り組んでもいいかもしれませんが、まずは既存のサービス・商品で、地盤を固めていきましょう。

「マズローの欲求5段階説」と「マレーの欲求リスト」はセットで覚えよう

マーケティングに用いられる「欲求」と言う言葉を聞くと、「マズローの欲求5段階説」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

マズローの欲求5段階説ってなに?

人間の基本的な欲求を、5段階に分け、階層化したもののこと。生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→尊厳欲求→自己実現欲求の5段階。

この「マズローの欲求5段階説」と「マレーの欲求リスト」は似て非なるものですので、両方セットで覚えておきましょう。

マズローの5段階説を解説。狙っている顧客の欲求レベルは?マーケティングには必要なマズローの5段階説を解説します。心理学を学ぶことでマーケティングにも大きく影響される。これからWebマーケディングを行うなら覚えて欲しいです。...
「マズローの欲求5段階説」は人間の欲求の移り変わりを表したもので、「マレーの欲求リスト」は人間の欲求をリスト化したものと覚えておこう!

まとめ

「マレーの欲求リスト」は、マレー本人が提唱したものと日本人学者が提唱したものとを合わせると、約100種類もの欲求がリスト化されています。

中には同じ言葉が用いられている欲求もありますので、一概に「100種類ある」とは言えませんが、細かく細かく人間の欲求が可視化されており、マーケティングにおいて非常に役立つでしょう。

今回紹介してきた欲求リストを元に新しい事業を展開することももちろんいいのですが、まずは今扱っているサービス・商品が、消費者のどの欲求を満たすのか考えるところから始めましょう。

「マレーの欲求リスト」を用いて地盤を固めることで、後々の新規事業にも活用しやすくなりますよ。

「マレーの欲求リスト」を用いて地盤を固めることで、後々の新規事業にも活用しやすくなりますよ。

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